*STRAY PIECE

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STRAY PIECE(42)【ツォンルー】

42:ツォンが欲したもの     自分のこの思いは譲れないと断言したから、だからせめて守りたいと思った。 “今の自分”に出来る、せめてものことをしたいと思った。 愛していると口に出すことも、抱きしめること...
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STRAY PIECE(41)【ツォンルー】

41:代償行為の結末   「私には、兄が二人いるの。一人は母親の再婚相手の連れ子で、もう一人は再婚相手の元妻が浮気の末に産んだ子。複雑な兄妹関係なんだ」 上の兄は、再婚相手に似てエリートだった。 下の兄は、誰にも...
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STRAY PIECE(40)【ツォンルー】

40:陳腐な言葉       純血種である例の男が連絡を寄越してきたとき、ルーファウスはその回答にさえ窮するほど空虚に襲われていた。 電話越しに明るい声を出してきたその男は、例のパーティについて、楽しみです...
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STRAY PIECE(39)【ツォンルー】

39:報告   「それでは当日の事ですが」 ツォンはそう切り出し、パーティ当日のタイムスケジュールについて確認し始める。 今日突然パーティに配置する形になったツォンが積極的にそれを確認するのも、第三者からすれば可...
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STRAY PIECE(38)【ツォンルー】

38:護衛任務の許可願い       目前を真っ直ぐ見据えながら、ツォンは思っていた。 眩暈がしそうなくらい懐かしい情景だ、と。 実際、日数を数えるとそれほどでもないのかもしれないが、感覚としてはそう...
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STRAY PIECE(37)【ツォンルー】

37:誉れ高い意義と結果至上主義     少しでも自分を大きく見せようともがいていた。 そうすることで、満足という名の安心を得ようともがいていた。 だけれど本当の自分はどうしようもなかった。 ちっぽけ...
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STRAY PIECE(36)【ツォンルー】

36:嗚咽のなかで       優しくて、頭が良くて、エリートの兄。 時折妙に見下されているような気がして怖いこともあったけれど、そんな兄が好きだった。 “お前、兄貴の事好きだったじゃん。エリートのあ...
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STRAY PIECE(35)【ツォンルー】

35:与えられた真実       あのざわめきは―――――今でも、忘れられない。 まるで気が遠のいていくような、そんな、ざわめき。       ある人物の葬式の日程が記された、謎の書...
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STRAY PIECE(34)【ツォンルー】

34:何者でもない存在       尾行されているようだから、暫く様子を見よう。 そう切り出したのはルーファウスの方だった。 自分が切り出したくせに寂しいと感じて携帯に手を伸ばしそうになったときには、...
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STRAY PIECE(33)【ツォンルー】

33:それぞれの葛藤       明かりもつけず暗いままの部屋で、マリアは床にじっと座り込んでいた。 先ほどから気持ちが悪くて仕方がない。体調が悪い。そんな中でふと頭に浮かんだのは、あの薬のことだった。 ...
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STRAY PIECE(32)【ツォンルー】

32:譲れない気持ち   「私にはお前とルーファウス様が懇意になった経緯など分からない。しかし、現状懇意であることは分かっている。お前はもしかすると――――私とルーファウス様の過去も知っているのかもしれないな。いや、それどこ...
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STRAY PIECE(31)【ツォンルー】

31:武器にするにしても、敵に回すとしても   「…レノ?」 聞き覚えのある声、今は聞きたくないとすら思ってしまうその声。 それは、ツォンのものだった。 「何をしているんだ、こんなところで。今日は非番じゃな...
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STRAY PIECE(30)【ツォンルー】

30:変化した評価   ”赤い髪の、ひょろっとした男”。 ツォンはその言葉にハッとし、マスターを凝視した。 それがマスターには大ごとのように感じられたのか、「やはりそいつも悪い輩なのか」とほぼ断定的に口にする。 ...
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STRAY PIECE(29)【ツォンルー】

29:マスターの情報       「いらっしゃい、今日は何にするかい?」 人の良さそうな声にそう問われ、ツォンは躊躇いながらも適当なカクテルの名を口にした。 今日はさすがにstolen heartはや...
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