*STRAY PIECE

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STRAY PIECE(14)【ツォンルー】

14:複雑な関係図     薄暗い店内で、お世辞にも綺麗とは言えない笑い声が響く。 CLUB ROSEではその日も常連客が楽しそうに笑いあっており、その声は店内を活気づけている。 本来なら艶かしい女性が武器に...
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STRAY PIECE(13)【ツォンルー】

13:かつての誇り     安全装置を外し、引き金を引く。 その引き金を引けば、もう後戻りは出来ない。   パアアアン―――――――!   瞬間、何かが破裂する。     ...
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STRAY PIECE(12)【ツォンルー】

12:相棒の分析   今回の任務は独りずつ配置されていたが、レノは指示された場所には向かわずルードと行動を共にしていた。 ルードは任務放棄して自分についてくるレノに何度か「戻れ」と言ったが、レノが一向にそのそぶりをみせな...
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STRAY PIECE(11)【ツォンルー】

11:自己嫌悪の朝     “ねえ。どうして人はいつも、間違ったものを選んじゃうんだろうね” “何で大切なものはいつも、手に入らないんだろう”   ―――――答えなんて既に出ている。 大切なものが...
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STRAY PIECE(10)【ツォンルー】

10:帰れない夜   「……幸せ…」 そう口に出して呟いてみる。 それでもそれは単なる言葉でしかなく、まるで実感も何もない。それよりもむしろ薄っぺらい戯言のように感じられる。 幸せとは、一体何なのだろうか。 ...
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STRAY PIECE(9)【ツォンルー】

09:愛情に近い同情     HOTEL VERRYから比べれば随分と質素なホテル。 やはりミッドガルにあるが、こちらは外れにあり、HOTEL FIRSTという名称が付けられていた。名称通り用途としてはビジネスホテ...
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STRAY PIECE(8)【ツォンルー】

08:届かない呟き   「大切なものは、いつも私から離れていくんだ。いつも私を置き去りにして…いくんだ」 「へえ…」 特別思い入れるでもなくルーファウスの言葉に返答をするレノは、ルーファウスを抱きしめながらも102...
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STRAY PIECE(7)【ツォンルー】

07:ペースの乱れた夜     甘ったるい匂いが立ち込めていた。 鼻につく、やけに甘いチョコレートのような匂い。それはどこか遠い国の煙草の匂いで、吸ってしまうとそうでもないくせに、香りだけはやけに甘ったるく感じられ...
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STRAY PIECE(6)【ツォンルー】

06:ディスプレイに映った文字   「…あ、あそこは…嫌だ」 ふと、ルーファウスの口がそう震えた。 声というより震えといった方が正しいくらいに、それは妙な動きをしている。 ツォンはその動きに特には気を止めず、...
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STRAY PIECE(5)【ツォンルー】

05:情欲   「私はもう、貴方を失望させたくはありません」 「ツォン…」 「約束したのを覚えていますか。貴方の、膝を抱えるあの癖…私が解いてみせますと言った…あの約束を」 「…ああ」 そうだ、そう約束...
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STRAY PIECE(4)【ツォンルー】

04:三か月ぶりの食事     その日の午後九時、ルーファウスとツォンはあるレストランに足を向けた。 ミッドガルの中でも人気の高いそのレストランは、曇りガラスで店内が見えないようになっている上に完璧な敷居があり、そ...
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STRAY PIECE(3)【ツォンルー】

03:リスタートの口実     神羅カンパニーでの一日は、今やルーファウスにとっては意味のない一日だった。 取り敢えず与えられた仕事をこなしはするが、それ以上のことはする気にならない。 例えば副社長として自発...
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STRAY PIECE(2)【ツォンルー】

02:盗み損ねた心、愛し損ねた心     「要らないの、これ。美味しいのに」 「え…?」 突然そんな言葉を受けて、ツォンははっと我に返った。 どうやら何時の間にか考え事をしていたようで、人前だというのに...
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STRAY PIECE(1)【ツォンルー】

01:スイートルームの薄っぺらな愛情   幸せというものは、どこから作られて、どこまで続くのだろう。 それは目に見えなくて、気付かないうちに指の先から零れ落ちてしまうから。 誰か――――教えて。 求めれば求め...
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