Diary of CLOUD(3)【セフィクラ】

*Diary of CLOUD

Diary of CLOUD / 俺を笑う?

 

『どうした?暗~い顔なんかしてさ』

 

訓練後にたまたま会ってそう話しかけてきたのはザックス。

ソルジャーなのに、ザックスは身近な存在なんだ。

不思議だと思う。何で俺なんかに親しくするんだろう?

でも俺はそんなザックスが結構好きだ。

大体のソルジャーは、訓練生なんかには目もくれないのに、

ザックスだけは違ったから。

 

『しかし何だなあ。ほんっと此処はムサ苦しいったら』

 

華が欲しいよなあ、なんて言いながらザックスはブツクサと文句を言う。

そういえばこの前は、「ナンパしに行く」ってどこかに行ってたよな?

俺がそう言うと、ザックスは笑った。

 

『そうそう!ナンパね、行ったよ。こういう時、ソルジャーの身分は良いぜ』

 

お前も早く試験受かると良いな、と続ける。

そう、ソルジャーは神羅の出入り自由だから、

どこかに行きたい時はすぐに外の世界に出れるから良い。

それに比べて訓練生は身動き出来ないから。

 

『お前、彼女いないんだっけか?』

 

そんな事聞くほうが間違ってるよ、ザックス。

だけど変なんだ、体の関係だけはあるんだよ。

おかしいとしか言い様が無いだろう?

しかも相手はザックスと同じソルジャーなんだよ。

そう言ってしまいたかったけど、そう言えば俺だけじゃなくあの人も…。

 

あの人は何のために俺を抱いたりなんかするんだろう?

ザックス、聞きたい事があるんだ。

ザックスはどういう時に…。

 

『は?何でヤりたくなるかって?』

 

ザックスは可笑しそうに笑う。

俺は真面目に聞きたいんだよ、ザックス。

 

『そりゃ、溜まってたら…なあ?まあ相手が好きだからっていえれば一番良いかもしんないな。

でもソルジャーなんて命の保障も無いじゃんか?だったら…もっと後腐れ無い方が良いのかも』

 

それはつまり、相手を好きでも何でも無いって事?

俺がそんなふうに聞くと、ザックスは「そうだな」とキッパリ言ってのけた。

じゃあ、もし目の前にそういう存在があったら。

それならザックスはどうする?

 

『相手には悪いけど本心は、好都合って所かもな』

 

好都合?

そうなんだ、分かってた。俺は何を期待してたんだろう。

あの人の誘いに、何か意味があったら良いと思ってたのかもしれない。

馬鹿げてるよね?

どうせ意味なんて無いんだ。俺はただの玩具か何かなんだから。

 

『それにしても、何でいきなりそんな事聞くんだ?』

 

不思議そうにザックスがそんなふうに俺を見てる。

何でも無いんだよ、ザックス。

だって言ったら、ザックスは俺を軽蔑するに決まってる。

それどころか怒るかもしれない。

ねえ、俺は知りたいんだ。あの人の心の中を。

どう思って俺を抱くのか。俺を見下ろして何を考えているのか。

俺にはさっぱり分からないから。

 

だけど、はっきりしてる事もあるんだ。

あんなに「酷い」と思うのに、それなのに。おかしいんだよ、ザックス。

頭が変になりそうなんだ。

 

「ありがとう、ザックス」

 

俺は、それでもあの人が好きなんだ。

 

 

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