Diary of CLOUD(7)【セフィクラ】

*Diary of CLOUD

Diary of CLOUD / 傷痕

  

神羅の定期健診で、俺は「赤」を出された。
「赤」ってのは危険信号。

おかしな話だな、と思う。
だって俺は神羅に入る時、体力で受かったようなもんだったのに。知能テストではギリギリだったから、俺の取り柄といったらソコくらいだったろう。

それなのに。
今の俺には神羅にいる資格すら無いのかもしれないね。

『基礎体力が落ちてるって?』

心配そうに俺を見てるザックス。
ホント、優しいよね。
俺が、うん、と頷くと、ザックスはさらに深刻そうな顔をした。
何か言おうとしては止める。

何だよ、ザックス?

結局、俺の催促に折れて、ザックスは言葉を吐き出した。

『お前、この前…暴行を受けたらしいな』

――――何で知ってるんだ?

そういえば俺は、あの後誰に運んで貰ったとか、そういう一切の事、覚えてない。本当は礼の一つでも言わなきゃね。

『何で?理由は何なんだよ?』

ザックス、それを聞いてザックスは幻滅するんだよ。この俺に。
もしかしたら「暴行されたって仕方ない」って思うかもしれない。

俺はその理由をザックスに言うかどうか躊躇った。
だってそうだろう?
俺がセフィロスとセックスしてるから、って?
―――言えるはず、無いよ。
ザックス。ザックスだけはそれと違うトコにいて欲しいんだ。

『言え、クラウド』

少し怒るようにザックスはそう言う。
もう―――…全て、壊れるかもしれない。
俺は、そんな事を思う。

『――――お前…ソレ…』

俺が見せた身体の傷に、ザックスは言葉を失ってる。
教えてあげるよ。
これは同じ訓練生に受けた、傷。
それから―――ソルジャー連中に受けた、傷。
一方的な、強引な――手汚いセックスで。

俺が全てを吐き出すと、ザックスはやっぱり驚いて目を見開いた。
やっぱ聞かない方が良かった?
俺の体についた傷を、眉を寄せながら見ているザックスは、何も言えないままでいる。

女の子のナンパに行くようなザックスだから、神羅の中にあるドロドロの性欲の正体なんて見せたくなかった。
やっぱり軽蔑するんだろうね、俺の事。

『冗談、だろ?』

ザックスは泣きそうな笑顔になってる。

『お前が、男に…?そんなの、嘘だろ?』

嘘じゃないよ。

『―――誰にっ!一体誰がお前を!?』

ザックスも良く知ってる人だよ。
そう、名前はね―――。

『セ…フィロス…?』

そうなんだ。そうなんだよ、ザックス。
しかも最悪なのは俺も一緒なんだ。
だって俺、あの人のことが、好きなんだよ。

『信じられない。…いや、俺は信じない』

ザックスは頑なに俺の言葉を拒否する。
だけどそれはどっちを庇ってるの?
俺?それとも―――あの人の、コト?

ねえ、ザックス。
これは全部、本当の話なんだ。

もし信じられないっていうなら教えてあげるよ。

この体で。

  

>>> back

return < | > next

タイトルとURLをコピーしました