Seventh bridge -すてられたものがたり-*物語コメント【ルドレノ】

物語コメント

 

最後までお付き合い下さった方がいらっしゃいましたら、どうもありがとうございました!!もうもう、絶大なる感謝です!!!そして、読後感が悪かった、もう最悪だ!という方には本当にスミマセンっ(泣)
とはいえ、実際この物語をUPする上で、読書してくださる方はいない、という方向で物事を考えている私がおります…


ルドレノ長編ということで、DEEPZにとっては2次CP、しかもまたもやこのような内容…だいたい好まれるタイプの物語ではないのですよね。わかっているけれどもやめられない…嗚呼、すみませんっ!(泣)
しかしながら、こういったテーマこそ書きたいことだったりするわけで…!

 

この物語は当初、携帯で書いていました。
書き始めは2006年、非常にプライベートが不安定な時期でもありまして…覚えていることといえば良くケン○ッキーで続きを書いていたという事です。(笑)

方向性としては、 最初から面白いとか楽しいといったところとは別個のものを考えていて、今まで物語を書く上でそこそこ打ち出してきたつもりではあったけれど尻込みしてきた部分を、もう今回はがっつり書いてみよう!という気持ちがありました。だから非常にアングラ…というか挑戦的な文章になっているかと…

推敲のときに、いろいろ削ってしまおうかとも思ったのだけれど、この物語が私の中でどういう意図で書かれたものなのかという原点を振り返ったとき、やはりこのままいこうと思いました。もちろん、UPした後のことはまた別ですが…!(逃げ道は作っておく笑)

 

この物語は、ある意味、不条理な物語なのだろうと思います。
あそこまでひどいことはないぞ!という考え方や、キャラの扱いがひどいぞ!、と思われた方もいらっしゃったかもしれないのだけれど、映画「es」の元となった心理実験や、かつてヨーロッパで起こった魔女裁判など、事実“そういう状況に置かれたらそうなってしまう人間の弱さ”というものがあると思います。それほど古くない過去にさえ、そういった事例があることには驚かされます。

差別社会の中での見せしめ処刑などの際に、残虐な人間性が炙り出される。尤も、そんな大仰な事件は身近になかなか無いとは思うのですが、しかしその火種や予備軍的感情は常に人の心の中に”必ずある”のだと思います。そういう人間が集まって社会という目に見えないものができている。成り立ってしまっている。その中で生きている。

そういう中で、レノやルード、ツォンさんがとった行動は、輪を乱し平和を乱し、優劣のバランスを崩した。

優位というものは本当に恐ろしいものだと思います。この物語を書いた後、差別に関する文献を読む機会があったのですが、そこにはかつての日本が行った差別について書かれていました。そして、それを実行するために利用されたのが優劣のコントロールだったとの記述もあり、大きく納得いたしました。

ちなみにこれは諸外国に対するものではなく、日本国内での出来事です。昨今では風化してきているようにも見えるのですが、実際には現在も根深くこの優劣が残っているようです。しかしながら、“支配するためにわざと行われた”という部分は人々の記憶からは消されていて、今に伝搬していないように思われます。よく考えれば、WW2のドイツの思想なども同じものでしょうか。

このように、かつてから誰かをコントロールするために、作為的に”優劣は作られてきた”わけですよね。資本主義社会などはうまくそれを利用した社会構造のような気もします。格差が生じて当然の図式ですな。…って、だいぶ脱線してしまいましたっ。(謝)

 

とにもかくにも、気づかぬところでコントロールされているであろう世界の中で、反旗を翻すのはとても大変なことだと思うのです。多数決のなかでは少数意見は必ず淘汰されますし、売れない商品はやがて世間から姿を消しますものね。そこにコアなファンがいたってそれでも消えてしまう。

そういう圧倒的な権力に対する反旗という意味では、 レノの判断はすごいのだと思います。ただし、ある意味では完璧な我侭になってしまう。
それでも、もしそれが自分が自分でいるために必要なものだったとしたら、これを糾弾することは難しいと思うのです。だからこそルードは、自分の意見の押し付けを最後まですることができなかった。

仮にその先に見えるものが世間でいうところの死という「不幸」であっても、その人がその人たらんとする最低限要素であれば、「幸せ」でいつづけるためには必要な判断だった、ということになるのだと…はい。

レノやルードやツォンさんが、幸せだったか、不幸だったか、それは簡単に出せない答えであります。誰かにとってみれば不幸であり、誰かにとってみれば幸福である。それらは常に各々の主観でしか決定付けられないものなのだろうなあと思うのです。

個人的に、この物語にはいろいろな要素が詰まりすぎていて、語っても語りつくせないです。いえ、そもそもここで語ってはいけないのですよね!(笑)

 

最後に、ツォンさんの言った「人は人を裁けるか?」についてですが…
これは昔から有名な某小説に出てくる問いかけです。私は実際には読んでおりませんで、ただ、友達にこの主題についての解答を求められたことがあります。非常に難しいテーマですね…。

そんなわけで…もう既に何を書いているのかワケがわからなくなってきた自分ですが、とにもかくにも心になにか引っかかりを感じて頂けたら、とてもとてもうれしいです!


上記の物語コメントは、2009/06/20に書いたものです。
2019年の再アップ後、この物語を読書くださったすべての皆様に感謝です!
2019年現在、思うところがたくさんあります。しかし最終的には、何かを感じていただけたら本当に嬉しいという、その一言に尽きると思っています。
ありがとうございました!

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