オリジナル小説

「あ、あのな安岡！いくら俺が男と付き合ってたからって…その、そーいう慰めとか要らないからさ。そりゃ…逸見とのことはショックだから暫く落ち込むとは思うけど…でもお前がそんなに頑張らなくたって…」 「慰めじゃないって。単に作戦だか...

「うん…まあ…じゃあ」 「じゃあって何だ、じゃあって。この安岡が来てやってるというのに」 「モアイのくせに」 「あぁ？」 ジャンボな穴のことは気になるが、とりあえず今は安岡の好意を無碍にしないようにし...

目が覚めたのは、たっぷり八時間眠った後のことだった。 目覚めてすぐに気づいたのは、そこが自分の家だということ。視界にはあの天井があり、ふと右に視線を遣ると例の穴が――。 「あ…れ？」 夕はぼやけた思...

ざまあみろ、と夕は思う。 まさかこんなドラマの中でしか見たことのないような行為を自分がするとは思ってもみなかったが、それでもそうできた後は少し、ほんの少しだけはすっきりしたように思う。 ざまあみろ、ざまあ...

そうだ――大した悩みなんかじゃない、大した愚痴なんかじゃない。 世の中にはもっと苦しんでいる人だっているし、もっと辛い気持ちを抱えている人がいるんだから。そう思えば自分の悩みなんて地球のゴミくずも同然じゃないか。 ...

このオンボロアパートにはつい最近引っ越してきた。 格安物件、っていうやつだ。 こういう格安物件というのは得てして曰くがあったりするものだが、このオンボロアパートに関してはそういうものは一切ないらしい。つまり、ただ...