STALKER(1)【レノクラ】

レノクラ

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■SWEET●SHORT

レノとストーカー退治をすることになったクラ。ラブラブ♪

STALKER:レノ×クラウド

 

最近俺の周りには、変な人が一人増えた。

セフィロス・ザックス、この二人とは元々付き合いがあったけど、実のトコこの二人の時点でかなりスゴイ顔ぶれなんだなって思う。

セフィロスは英雄だし、ザックスだってソルジャークラス1stだ。

俺にとったら、とてもじゃないけど仲良くなんてなれそうもない感じなんだけど、何でだか今の俺はこの二人と仲が良い。

でもこの二人、何だか変なんだ。

だってセフィロスはいっつも「ククク…」とか笑って俺とザックスを苛めるし、ザックスはザックスでどうでも良さそうなことを熱弁したりする。

この前なんか「何で夏は暑いんだ」とか「何でサボテンダーは斜め45度なんだ」とか、果てには「何で俺はザックスなんだ」とか訳わかんないこと叫んでた。暑いからちょっとオカシクなっちゃったのかな??

ともかくそんな二人に囲まれてた俺は、いかにも普通じゃないことにそろそろ慣れてきたトコだったけど、そこにもう一人おかしな人が加わったんだ。

その人は、タークスのレノ。

レノとは、俺がこの前警護任務に就いた時、たまたま一緒だったことで知り合いになった。

だけどこのレノも何だか変な人で、俺にとったらセフィロスやザックス以上に訳がわからない。何ていうのかな、捉えどころがないっていうか…何だかそんなカンジ。

レノはあの任務の日以来、良く俺のトコに遊びに来る。

でも俺はセフィロスやザックスと一緒にいる事が多いから、そこにレノが来るってことは自然と四人になるってことだ。だから俺は最近、セフィロス・ザックス・レノ・俺という顔ぶれで過ごすことが多かった。

でも俺…この三人にはちょっとついていけない。

だって会話がオカシイんだ。面白いって意味のオカシイじゃなくて、変なんだ。訳わかんない。まるで宇宙語だ。

「俺さ、最近疑問なんだけど何でゴキブリはあんなに最強なんだ?」

「クク…それはお前を滅ぼす為だ」

「あいつは最終兵器だぞっと」

「えっ、最終兵器!?そんな…俺は昨日最終兵器を5つも破壊しちまった…!!」

「クク…それがお前の身を滅ぼすのだ」

――――…意味わかんないんですけど…。

俺は三人のこの果てしない会話についていけなくて、大体いつもポツンとしてる。

でも三人はその訳わかんない会話で白熱してて、床でカサカサってご本人様が登場してもまるで無視だ。可愛そうなヤツ…。

そんなだったから俺は、この三人についていけないままに何だかおかしな日々を過ごしてた。

でも不思議と、嫌ってわけじゃない。何しろこの三人はそれぞれスゴイ人で、むしろ俺が此処にいるのがオカシイってくらいだったし。

…あ。

だから会話についていけないのかな??

まあどっちでも良いけど、俺はそんなふうに日々を過ごしてたんだ。

 

 

 

たまに、俺とレノだけって日がある。

そういう日はちょっと特別だった。

だって俺は普段セフィロスとザックスと一緒にいる方が多いわけだから、レノとだけ一緒っていうのはなかなかない機会なわけで。

セフィロスやザックスは、俺と二人きりでも何だか訳の分からないことを言って白熱してたけど、レノだけはちょっと雰囲気が違ってた。

レノは、俺と二人だけの時は、宇宙の言葉は喋らない。特徴的な言葉遣いするけど、大体俺の理解できる話をしてくるんだ。

「お、クラウド。今日は任務無いのかなっと?」

「うん。今日は休みだから」

「休みなのに此処にいるのかよ?」

レノの指摘通り、俺は任務もないのに仕事の服をきて神羅をウロウロしてた。まあ確かに変だよな、仕事でもないのに。

でもこれにはちゃんと理由があるんだ。

「そうなんだ、実は…ちょっと頼まれ事があって」

「へえ、頼まれ事?誰に?」

「えっと…」

俺は、休みなのに仕事着をきて神羅をウロウロしてるその理由をレノに話した。

それはちょっとした頼まれ事で、依頼者はセフィロスだった。

セフィロスから頼まれた事だから断るわけにもいかないし、まあ別に嫌でもなかったから受けたんだけど、内容としてはちょっと退屈だった。

内容は、監視。

っていうか仕事とさして変わらない内容じゃんって思うけど、これはあくまでセフィロス専用なんだ。

最近セフィロスには、変な手紙やメールが送られてくるらしい。その内容はほぼストーカーで…いかにも恐い。

セフィロスだったらそんなのサクッとやっつけられそうなんだけど、セフィロスは仕事で時間が取れないからって俺にそれを頼んできたんだ。

最初は俺も、手紙やメールだけなら監視は不要なんじゃ?って思ったんだけど、どうやらその手紙やメールに「●月×日に行きます」なんていう事が書かれているらしく…。

これがセフィロスの休みの日なら、セフィロスだってハキマチ巻いてガッテン承知ってな具合に頑張るんだろうけど、その指定の日付がいっつもセフィロスの仕事の日だから俺が頼まれることになる。しかもそれ、いつも俺が休みの日なんだよな…。

だから俺は、セフィロスに会いに来ようと思ってるストーカーを探し出して退治するために、たまにこうして休みを潰してたんだ。

俺がそのことを話すと、レノは「大変だな」なんて言って笑った。

それから、

「じゃ、俺も一緒にストーカー退治しよっかな」

そんなことを言い出す。

俺は一瞬「本当に!?」って笑顔になっちゃったけど、ちょっと考えてから頭をぶるぶる横に振った。

「嬉しいけど…やっぱダメだ!だってレノだって忙しいし、コレは俺が受けた話だから」

忘れてたけど、レノってタークスなんだ。

タークスっていったら神羅の極秘の仕事とかやってて、ソルジャーと同じくらい命の危険がある仕事だ。いや、もしかしたらソルジャー以上かもしれない。

とにかくそんな仕事をしてるレノに付き合わせる訳にはいかないと思って、俺は残念だけどってそれを断った。

でもレノは、「やだ」なんて言うと、俺も絶対ストーカー捕まえるんだとか何とか言い出した。そんなだから俺はほとほと困ってしまった。

「別に良いだろ。あの英雄だってストーカーが捕まれば大満足だろ?俺、タークスだし。そういうのプロなんだぞ、っと」

「そうだけど…仕事あるんでしょ?」

俺は内心ちょっと期待しながらもそう聞いてみる。悪いよとか言いつつも、本当は一緒に監視してくれたら嬉しいなって思ってるんだ…ちょっとズルイかな。

そんな俺の表情を読んだんだか、レノは「大丈夫」って言いながら笑うと、

「俺がいたら絶対退屈しないだろ?」

なんて言った。

…俺の心は、めちゃくちゃ読まれてるらしい。

 

 

 

そんなこんなで俺はレノと一緒にストーカー監視兼退治(予定)を敢行した。

それでもストーカーってヤツは姿を現さなくて、それなのにセフィロスにはメールや手紙が相変わらず届いてる状態…要するに俺とレノの監視は全く効果ナシってわけだ。

そんなだからセフィロスは、ただでさえちょっとオカシかったトコロが更にオカシクなっちゃったらしくて、ザックスと同じように「何故俺はセフィロスなんだ」とか言い出すようになってしまった。

挙句の果てには、正宗をオークションにかけようかなどと言い出したもんだから、俺とザックスで必死になって阻止したくらいだ。危ない危ない。

俺はそんなセフィロスを見てて、やっぱり絶対ストーカーを仕留めなきゃって気持ちになった。何が何でもストーカーを仕留めて、セフィロスをマトモな人に戻さなきゃ…!

そんなわけで使命感に燃えた俺は、自らストーカー退治を申し出た。

だからセフィロス宛のメールや手紙に書かれた日付にはしっかり仕事着を着て神羅をウロウロする。

ストーカーめ、いつでも来い!!!――――そんな気持ちだ。

でもそうしていてもストーカーはやっぱり現れなくて、俺は相変わらず退屈な気持ちを捨て切れなかった。自分から名乗り出たのに何てヤツだって思うけど…。

―――――でも。

そういう時、何故かいつもレノが隣にいた。

レノは何でか知らないけど、必ず俺のストーカー退治の日にやってきて、一緒になって退治をするって言う。

俺は毎回「仕事でしょ?」って聞くけど、レノは毎回「大丈夫」って笑う。

何でこんなに毎回一緒にいてくれるんだろうって疑問だったけど、俺は退屈じゃないことが嬉しかったし、それよりもなによりもレノと色んな話ができることが嬉しかった。

相変わらずストーカーは捕まらないのに、それでもストーカー退治の日になるとレノと一緒にいて色んな話ができるから、俺は段々そっちの方が楽しく…なってきちゃったんだ。

だから、ストーカー退治の日はレノに会う日。

レノと色んな話をする日。

一緒にいる日。

 

 

 

そんなストーカー退治の日の中のある一日。

俺はやっぱり自ら退治を願い出て、セフィロスに「仕事がんばって!後は俺に任せて!」なんて大見栄を切った。

セフィロスはそんな俺を見て、宜しく頼むなんて言いながらククと笑っていたけど、その後姿がひょろひょろしてたから大分ヤバイんだと思う。

俺はそれを見て「早くストーカーを退治しなきゃ!」ってもう一度思い直したりしたけど、それでも心のどこかでレノが来るのを心待ちにしてた。

でもその日、レノはなかなかやって来なかった。

いつもだったらセフィロスが仕事に出かけたその後にひょっこりやってくるのに、何でだかその日は来なくて、俺は段々そっちの方が気になってくる。

レノはまだかな?

この前の話の続きをしたいのに…

早く来ないかな?

そんなことを思って俺は、自分がストーカー退治よりもレノを気にしていることに恥ずかしくなった。セフィロスの為にしている事なのに、何時の間にか俺がレノに会いたいからしているみたいな…何だかそんな気分になって…。

「そういえば最近、四人で会ってないなあ…」

俺は神羅の中をウロつきながらもそんなことを呟く。

そうなんだ、最近あの変テコな四人の空間に出会ってない。

いつもだったらレノがひょっこり現れて、俺とセフィロスとザックスの間に入ってきて、そこで宇宙語が展開されて…そうすると俺はポツンと一人きりだけど、それでもそれは嫌いじゃなくて。

でも最近、それがない。

つまりレノが三人の空間に入ってきてないんだ。

セフィロスとザックスとは今でも一緒にいるし、二人はやっぱり訳わかんないことで白熱してるけど、レノと四人っていうのが無い。でもオカシイなって思うのは、それでも俺はレノと会ってるってことなんだ。

四人の空間は無くなってしまったけど、俺はレノと会ってる。だからレノを見て、久し振りって思う事は無い。

それってつまり――――…。

「そっか…俺、ストーカー退治の日にいつも会ってるから…」

だからだ、だから俺はレノを懐かしむことはない。

レノは、三人の場所にはやってこなくなったけど、俺のいるところには来てくれてる。だから俺は四人での宇宙会話についていけないって事もなくなって、その代わりレノと普通の会話をしてるんだ。

何かそれって…何だか―――――…。

ガサッ

「?」

俺がそうして色々考えていると、ふと背後でガサゴソ音がした。

その音に反応して俺が振り向くと、そこには…。

「レノ!」

「よう、クラウド。お待たせ、かな?」

そこには、レノの姿があった。

俺は反射的に笑顔になってしまうと、レノの言葉につられて「待ってたよ!」なんて言って笑った。でもそうしてしまった後でハッと我に返る。

…待ってた、って―――良く考えるとソレってヤバくないか??

俺はあくまでストーカー退治の為に此処にいるんであって、レノはそれを一緒にやってくれてるだけで、だからこれは別に何ていうか、その……。

 

 

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