GLOWFLY*物語コメント【ザックラ】

物語コメント

 

GLOWFLY*物語コメント(2005/11/19)

お疲れ様でした!最後までお付き合い下さった方がいらっしゃいましたらば、心よりありがとうございます!

長らく書いてきたザックラ初の長編ですが、とうとうこうしてUPまでこぎつける事ができました♪

二次創作としてはあまりにもオリジナル要素が多い上に、ザックラといってもほぼザックスだけの話…この物語が凶と出ることはわかりきっているのですが(泣)それでも書きたいことを精一杯書けた気がしています!

 

ザックス逃亡時の物語は、これが二度目です。

最初は「Diary of CLOUD」という物語で逃亡エピソードを辿ったのですが、こちらの物語は日記風を前提としていたので、もっとじっくりとした形で書きたいなあと思っていたのですよね。

それは、遡ればもっと前…ヴィンクラの「追憶葬」でザックスとクラウドの逃亡時のことを少し書いた時からずっと思っていました。

 

この物語は、当初全く別の話として書く予定のものだったのだけど、雰囲気的に、「もしかしてこれって書けそう!?」と思った瞬間にこれを長編に当てることにしました。

しかし当初は全く違う話の予定だったから、名残としてちょっとアメリカンな感じの表現(笑)が残っています♪

 

長編自体は何度か書いてきているのだけれど、今回は特に辛いことがありました。

というのも、例えばヴィンクラの「追憶葬」やツォンルーの「HARDry Trick」などは事件解決系の物語だから、話のなかに波があり、自分自身の感情も波立てられるのですよね。

でも今回の物語は、基本的な結果(=ザックスの死)は分かっているわけで、大きな事件を軸にしているわけではないので、まったりした感じだったんです。今迄で言えば、ヴィンクラ「A SEASON」やツォンルー「CRYSTAL LIFE」などが同じ種類の長編かなあと思います。

 

しかし今回の一番の辛さは、何と言ってもクラウドが出てこないことでした…!(泣)

逃亡時エピソードを書く上で一番ネックだったのがこれで、いかにしてクラウドを登場させようかと悩んだ結果、ドラッグというのが浮かんだのでありますっ。

夢や幻覚でも良かったのだけど、最終的に神羅と結びつけるならば、やはりドラッグかなと…ニブル事件=実験=薬、という図式でありますっ。

 

何故かいつもこうなってしまうのだけど(笑)私の中のザクというのは、昔のことを懐かしいと感じ、あの頃に帰りたいということを望んでいるのですよね。そしていつも、セフィロスを憎めないんですっ!(力説)

ザックラだからセフィの事は語るまいと思っていたけど、やっぱり書いてしまった…!

どうしても思ってしまうのですよね…ザクはセフィの事も好きだし、クラの事も好きで、そんな空間が大好きで…何だかいつもそんな感じになってしまうのですっ。成長は無いのだろうか…!?

 

今回、クラ自体もシーンが限定されてしまうので、基本的にはザクとオリキャラとでの進行になりました。

二次創作としては不安要素かもですが(泣)最初から事件系の物語ではないのだから、此処は一つそれぞれの人生を埋め込んでいきたいなあという気持ちで書きました。

そういえば…私はオリキャラの名前のバリエーションが本当に少ないらしくて、何だかラ行が多いのですよね。そして何故かいつも、建物を解体したり建設したりしているという…(笑)

 

今回は、ルヴィと瓶底オヤジという二人のオリキャラが出てきて、その二人の過去も少し入れ込みました。本来ザクの話を軸にしているのだから必要は無いかと思ったのですが、書いている内にヒートアップしてしまって、ついあそこまで書いてしまいました…!

この二人のエピソードに関しては、最終段階ではザクに繋がっているという形です。

それぞれの人がそれぞれの考えを持ち、それぞれの生き方をしているんだけど、それでもたまたま出逢ったザックスという人と触れ合うことによって何かを変化させていく…

それはその人の中の過去と現在を対比する中で浮き彫りになることで、例え死という結果になろうとも、最後の最後には何かを得ていくという…。

そしてそれはザクにとっても同じで、そういう触れあいの中で色々なことを手にいれていく…それは些細な事だけれど、クラウドの事が好きだと認めることであったり、苦境だからこその考えだったり、それこそ道だったり…そんな感じであります。

それでもルヴィと瓶底オヤジが死という結果を迎えたことは、ザクの「もう誰も失いたくない」という考えに対する答えのような感じです。

失いたくないけど、結果的にやはり失われてしまう、そういう部分でこの二人の死があるのですが、ルヴィに関しては死んだ事を知らないままなので少しは救いがあったかもしれません。しかしこれはある意味では皮肉みたいなものかなあと考えています。

そしてもう一つ皮肉なのは、ザクがずっと守ると決意してきたクラウドが、それでも生き続けるという部分であります。

今までの話では「とにかくクラウドを生かす」ということが前提だったので、ザクは自分の命を顧みないかんじでした。

しかし今回は、「自分が守り通す」ということが前提なので、守りたいものは守られたまま、決意した自分だけが神羅の的になった、という…これは本当に皮肉だなと思います。

でも反対に言えば、それが結果的に守ることに繋がったのかなあ…と。

 

今回、「光」「道」という二つのテーマ的な言葉が何度か出てきたのだけど、「道」とはセフィが言ったように「一生をかける任務」のことであります。

ザクにとってはクラを守る事がそれだったけど、多分クラにとっては生きる事自体がそれに繋がっていくのかなあなんて…何となく今これを書いている時に思いました。救われた命を守り続けること=生きること、ですものね♪

「光」の方は少し抽象的に終わらせてみました。蛍の光(歌じゃないです/笑)がそれに当たる感じです。

二度目の川原でクラウドがしたこと…それはザクに光を与える行為でした。

「目を瞑れば光が見える」…これを解体すると、「死して目が開けられなくなってもそこには思い出が見える」、ということでして…。

いつか目を閉じなくてはならなくなった時…死してしまう時でも、それを悲しまないようにと願った「光」というかんじです。

だからこそ、「一緒にいよう」ではなく、「一緒にいられるね」という言葉になり、「今度は俺が側にいる番」なのですが、これは思い出として側にあり続けるというニュアンスです。

この「光」は、ザクの大切な過去や人や思い出と同等なのだけど、それが何故かといえば、クラがそれを与えたあの川原自体が、失われた純粋だったから…

ザクにとっての失われた純粋とは、過去の楽しくて幸せだった頃の記憶でもあり、そしてもう一つ、いつも笑っていたザクが隠していた”本音”でもあります。

本当は辛くて、苦しくて、逃げ出したい…そんなマイナスな感情があって、過去の罪悪感などもあって…そういうものを心の底に持ったまま、ザクは表面では笑って過ごし、自分を盛り上げていたんですよね。

しかし本音ではそういう暗い部分も持っていて、それは過去の神羅時代からずっと置き去りにされてきたもので、この川原でやっと表出できた感情だった。

 

川原に来る前に道が枝分かれしているわけだけど、街に続く道は「表面」を、川原に続く道は「本音」を、それぞれ表している感じです。

しかしルヴィに対して「もう嫌だ」と言ったのは、本音からの嫌ではなく、愛しているからこその嫌でありますっ。

あまりに大切すぎて、失いたくなくて、だから頑張っているんだけど、それがどうにもならなくて…っていう、ジレンマみたいなものでしょうか??

そんなわけで、個人的にはそれぞれの人生がリンクしてる感じで、書いている時は楽しかったです!

 

しかし、どうしてもFF7感が出ていないような気がして…どうにもそれが気になっております…(泣)

最終的に何も救いが無いような物語になってしまったけど、最初からあのシーンで終わろうとずっと心に決めていました。神羅が見えるあの丘でザクが死ぬという、そこで終わりたいと思っていたのですよね!

一つ零れる涙が何を意味するのか…たとえそれが悲しみだとしても、ザクの眼には光が見えているでありますっ。

クラが教えてくれたその光は、神羅兵の残酷行為の中でさえもザクを満たしているはずだと…

 

死や苦しみや悩みという人生の中で、最後の最後に見える幸福があるとすれば、それは最大のものではないかと思います。

最後の最後に何かをつかんだ(=幸福)という流れは、ザク、ルヴィ、瓶底オヤジ、と、皆が皆同じになっているのですが、ルヴィに関しては個人的な意見を結構入れてしまいましたっ。

「死ぬ瞬間までそれを背負っていくのか」、この台詞はもう本当に私見だったりします…嗚呼、すみません!

常日頃から良く思うことなので文章に反映してしまったのだけど、果たして死の瞬間に本当の満足を得て逝けるだろうか……こういうことを良く考えたりするのです。

漠然と楽しいものを掻い摘んで生きることは、多分容易に分類されるのだと思います。それらの連続である人生の、最終地点である死の瞬間、果たしてその人生は本当に意味のある事として捉えられるだろうか??

そういう事が頭を旋回すると必ず思うのです、一瞬一瞬を精一杯生きなければと…。(しみじみ)

それは正に人生という一世一代の賭けなのだろうなと思って、ルヴィの「賭けてみたくなったんだ」という台詞が出てきたのですよね。

そういう事もあって、オリキャラを好きになれない私にしては珍しく、ルヴィは好きな感じです♪でもルヴィのイメージがいまいち沸かないという……って、よく考えたら外見描写してなかったですよね!?(はっ!)

 

…という訳で、ザックラ長編でした!

ザックラというよりザックスの話だし、恋愛というより人生の話だったけど、少しでも心に何か残ったものがあればとても幸せです。 

再アップ後コメント(2020/08/06)

「GLOWFLY」をお読みいただき、ありがとうございました!

自分自身も久々に読み直しながら再アップしたのですが、2020年の自分として感じたことを追記したいと思います。

この物語はザックスとクラウドの逃亡時の物語で、当時のコメントにも書きましたが、ザックスが神羅兵にやられてしまうところで終わろうと決めていました。

この話を書いたのは2005年のことで、この2年後の2007年にCRISIS COREが発売されました。そんなわけで、逃亡時はこうだった、という真実が公式から後に発表されるという悲しいパターンに陥った物語でもあります(笑)

そして公式もザックスの死のところで終わっていますから、なんかこう、いろいろ感慨深いものを感じます。(あれ以降を描けないからだろうけども…)

そうそう!

CCFF7で、ザックスはクラウドに対して、俺の生きた証だ、と言っていましたよね。誇りだ、と。

私はこの「GLOWFLY」という物語で、ザックスにとって「クラウドの命を守り通すクラウド専属のソルジャーになることが、自分自身の生きる道である」ということを描きました。

僭越ながら…今ふと、これってそこそこ合ってない!?と思ってしまいました(笑)公式より前にかいた話だと、どうしても答え合わせの気持ちがふつふつと…!これぞ2020年の今だからできることですね!

 

にしても…本当にザックラなのか怪しい話なので、おそらく途中で読書をやめられた方も多いのではないかなあと思っています。

もう本当にクラウドと会話できないので、本当にザックスだけの話みたいになりましたが、その分この物語には自分のザックス観がすごく詰まっている気がします。

おそらく一般的にザックスは「陽気、ポジティブ」みたいなイメージだと思うのですが、どうも自分はそれ以外の部分を描きたくなってしまうんですよね…癖で!涙

この物語の場合ですと、セフィとクラをつなげられるのは自分だけというある種の慢心や、2人の関係を疑ってしまった嫉妬心、クラにしてしまったことへの罪悪感などなど、それを「明るい自分」で隠し通して…っていう。

ザックスを本気で描こうとすると大体こうなってしまう…!

再アップしている最中の現在ですと、ザックラやセフィザでも、まだそこまで重いのは出てきてないと思うので、おそらくこの話が今のところは最も重めのザックスかな?と思っています。

ザックスはFF7のなかでもかなり人気キャラだと思いますので、そういう一般のザックス観と外れてしまったことは、今となっては少々怖い気もしますが…しかしながら、最後までこの物語にお付き合いくださった方には、本当に感謝です!!

ザックスにとっての大切な光が、どうか届きますように。

 

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